DMとは?

DMについて目次

DM (Degenerative Myelopathy)
変性性脊髄症とは

1973年にG.シェパードで初めての報告。その後ボクサー、チェサピークベイ・レトリバー、S.ハスキーなど。近年、P.ウェルシュコーギーでの報告が増加。

DMの臨床的特徴
脊髄がゆっくりと障害される病気
特定の犬種で発症
G.シェパードは8〜10歳前後で発症(*ただし12歳での発症例もあり)
臨床症状は典型的なパターンで進行する
発症例にはSOD1遺伝子の変異が認められる
現在のところ、根本的な治療法がない難病(遺伝性疾患)
(引用*犬猫用栄養補助食品ニューロアクト® より)

埼玉動物医療センター(変性性脊髄症とは)

DM進行過程動画

脊髄と脊椎の違い

※レントゲンやMRI等で病巣が判る『変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう)』とDM『変性性脊髄症(へんせいせいせきずいしょう)』 は違う病気です!

脊柱管の中を走っているのが「脊髄(せきずい)」です。(こちらがDMの変性性脊髄症のほうです)
「脊椎(せきつい)と脊髄って、いったいどう違うんだ。」という声が聞こえてきそうです。お答えしましょう。
脊椎は「骨」、背骨そのものです。「体の支持」「体の運動」と「脊髄や神経の保護」が背骨の重要な役割です。
これに対して、脊髄は「神経」です。脳からの指令を末梢に伝える、そして末梢からの情報を脳に伝えるのが神経の役割です。 脊髄が完全に障害されてしまうと、四肢麻痺といって手や足が動かなくなるばかりか、熱いとか痛いといった感覚がわからなくなります(知覚鈍麻)。
「脊椎」と「脊髄」ややこしい感じもしますが、明確に区別してください。

こちらから引用させていただきました。
亀田グループ・医療ポータルサイト

陰性・陽性・キャリアとは?

DMは遺伝子検査によって、陰性・陽性・キャリアと3種類の結果がでます。

*陰性(発症しない)
*陽性(発症する可能性が高い)
*キャリア(発症しません。子孫に遺伝する可能性はあります)

繁殖前の検査結果で陽性やキャリアが出た場合は、必ず陰性を相手に選んでください。


参考:遺伝子検査の結果表記は、検査機関や資料によって用語が異なります

キャリア犬は病気ではない

キャリア犬に対して、認識の誤解や偏見が持たれてしまいがちですが、キャリア犬は理論上は『発症しません』。

ノーマル(陰性)犬と同様に、日常生活はもちろん、訓練・ドッグスポーツ・展覧会、いずれの世界でも楽しめますし、繁殖を考えない方は一切悲観する事ではありません。
交配相手に『必ずノーマル犬を選択』する事によって、その資質を未来に繋げていく事は出来ます。
現時点で重要なのは【アフェクテッド(陽性)犬を産み出さない事】です。
キャリア犬を繁殖候補から一切排除してしまう事は、犬種の遺伝子プールや他の遺伝疾患とのバランスを崩しかねないので、むしろ危険とも言えます。(※ジャーマンシェパードのDMの場合)
OFAでのDM検査が出来るようになったのが2012年からですので、過去の繁殖結果を批判する事は無意味なことです。 

何よりも重要なのは【未来の命】です。
キャリア犬でも犬種として素晴らしい資質を持っているのであれば、公表し合える同士からノーマル犬を選んで、その資質を次世代に繋げてほしいと思います。

その為にも、『繁殖犬の検査』と『結果の公開』が広く浸透していかなければならないのです。