「相棒がDMだとわかったオーナー様へ」・・・介護のお手伝い
変性性脊髄症(DM)は、現代医学では治療法がない病気です。
我が子がDMだとわかった時のショックとこれからへの不安は、言いようのないものだと思います。
治療法がない現在では、徐々に身体の自由が効かなくなっていくのを止める事はできないので、長いスパンとは言え余命宣告をされたようなものです。
しかし、犬達は常に前向きです。
死を恐れる事なく、現状を受け止め、その時出来る事を出来る範囲で楽しみながら、『今』を精一杯生きてくれます。
私たちオーナーの役目は、そんな我が子が少しでも楽しく快適に、そして幸せに暮らせるよう、創意工夫しながら彼らの心に寄り添って過ごす事ではないかと考えています。
幸か不幸か、DMの進行状況・症状は多少の個体差はあれ、概ね似たような経緯をたどり、ゆっくり確実に進行します。
また、その時々の問題点やトラブルも、同じようなケースが多いように思います。
動けなくなった大型犬の介護は、現実的にどのケアにおきましても、オーナーの身体的負担が大きくなります。
私達は、我が子たちとの経験を元に、病気の進行に合わせた「今できるケア・今必要なケア」「お薦め介護用品」「介護のポイントと注意点」などをまとめてみました。
市販の介護用品を始め、胴が長めのシェパードには対応できない場合の工夫したアイデアグッズも紹介しています。
発症犬のQOLを少しでも高め、そしてオーナーさんの負担を軽くするお手伝いができれば幸いです。
DMの進行具合や表現については、一般的に、発症から終末に向けて、4段階に分けられています。
当サイトでもこれを引用し、ステージ1【病初期)】・ステージ2【病中期】・ステージ3【病後期】・ステージ4【終末期】に分類して説明したいと思います。
ステージ1【病初期】
発症から6ヶ月〜現れ始める症状
初期症状は、爪先を僅かに擦る、爪の上部が削れる事で最初の異常に気づくケースがある。(ナックリング初期) 次第に足の甲を地面に擦るようになるので出血。 後ろ足の位置の感覚が薄くなるので足が交差したり千鳥足のような歩様も見られるようになる。両後肢のふらつきが認められるが、まだ四肢での歩行が可能。
ステージ1のケア・介護用品・参考動画等はこちら
ステージ2【病中期】
発症から9ヶ月〜12ヶ月ぐらいで現れ始める症状
次第にゆっくり進行し、およそ1年〜1年半をかけて両後肢の麻痺が進行し、四肢での歩行が困難。 起立できない。前肢は正常。
ステージ2のケア・介護用品・参考動画等はこちら
ステージ3【病後期】
発症から12ヶ月〜24ヶ月ぐらいで現れ始める症状
その後は次第に声にも変化が現れ、前肢へと麻痺が広がる。 前肢にもナックリングが認められるが、まだ歩行可能。 この時期までに多くの場合に自力での排泄も困難になる。 遅くともこの時期には下半身の筋肉がひどい萎縮を起こす。
ステージ3のケア・介護用品・参考動画等はこちら
ステージ4【終末期】
発症から30ヶ月〜36ヶ月ぐらいで現れ始める症状
四肢が麻痺してしまい、歩行が不可能。頭頸部の麻痺。呼吸困難、発声障害、嚥下困難なども起こる。 終末期になると嚥下障害が出てくる。特に舌の動きが悪くなると水を飲むことが困難になる。 全身に重度の筋萎縮が認められる。本疾患の末期で、生活の質が著しく低下します。
ステージ4のケア・介護用品・参考動画等はこちら