終末期には、自分の頭を保持出来なくなるため、完全な食事介助が必要。 食べさせるアイテムとしてあると便利なのは、小さめのしゃもじ、シリンジ、浅いお皿(角がないもの)、食事時に大変汚れるのでビニール系素材のマット(テーブルクロスに使うような物でもOK)
*アークの経験から*
食事の姿勢は、基本「ふせ」の姿勢で行う。 横に寝たままの姿勢は誤嚥の危険があるため、少なくとも上半身は起こして食事をさせる。 最初に介助が必要になるのは、体が不自由になり自分で水のある場所へ動いていけなくなった時。獣医さんの指導により、一日の水分量を1,500CC以上(フードをふやかす水も含め)飲ませるようにした。 それでもまだ、器から自分で飲めるが、飲みたい時に飲みたいだけという訳にいかないので、ミルク味にしたり、スープにしたりして、「飲ませる工夫」が必要。 また、症状が進んできたら、誤嚥を防ぐために「とろみ」をつけた。(人間の介護を参考にして) 麻痺が進み、口・舌が思うように使えなくなると、自分で器から舌を使って食べることができなくなる。 フードをふやかしたものや水分を寒天やゼラチン、クズ等で固め、固形にして、少しずつ口に運んで入れてやる。舌の奥へ乗せてやるようにすると、「ゴクン」と飲んでくれた。 これも硬すぎると呑み込めなかったり、滑って口から落ちてしまったりするんで、スプーンでつぶれるくらいの柔らかめにした。ドロドロの水状の物は口からほとんどこぼれてしまい、食べられなかった。 フードはふやかして、小さなお団子にしたり、スプーンで舌に乗せたりしても大丈夫。 スプーンは人間の介護で使用するシリコン製のような柔らかいものを使用。 寒天やゼラチン、くず等は、体質によりお腹が緩んだりするので、病状が進む前に試してみる。
補足
フードを食べられる量が減ってくるので、補助的なものとして、エンシュアや医療用流動食、入手できない場合はメイバランスなどを使う事もおススメです。 水分として補食出来ない場合は、冷凍庫で固めてシャーベットタイプにし、口の中に入れてあげるのも良いです。
動画
- 食事の様子(発症2年11ヶ月)
- 食事の様子(発症3年1ヶ月)
- 食後の体勢(発症約3年3ヶ月)
※食後は三角クッションで伏せの姿勢をキープしたまま、顎乗せ用のクッションを置いてあげて出来る限り姿勢を維持。無理はさせない。
- エンシュアをシャーベットにしています
誤嚥性肺炎を起こして発熱がある時の映像です。エンシュア等(栄養補給食)をシャーベット状にして食べさせてあげます。
※この子の場合は起こすとチアノーゼを起こすようになってしまったのでやむを得ず寝かせたまま与えています。
※口のサージカルテープは、犬歯が唇に食い込むのを軽減させるために貼っています。